人に好かれる秘訣

                                                                                  織田信長には、森蘭丸という優秀な秘書がいました。
 「後の襖を閉めて来い!」と言われたら、普通の人なら、「閉まっていました」と言うところを、森蘭丸は一度開けてまた締めて、ピシッと音を殿に聞こえてるようにした人であったといいます。
 殿に「俺の勘違いであったのか」とは、殿には思わせないようにと気をつかった人なのかもしれません。
 人の上に立つ者にとって大切なものは自信です。
 「うちの殿はよく勘違いをする人だ」などとは、思われたくはないはずです。
 「俺の言うことに間違いはない!」といつも部下には言いたいはずです。
 森蘭丸は、そうした気持ちをよく汲み取って、些かなりとも自信を傷つけないようにと、あらゆるところに配慮をした人であったのかもしれません。
 それはあらゆる人間関係にも言えることで、「あなたの勘違いですよ」などとは、あまり言わない方がよいようです。
 いつも自信を与えてくれる人は大事にされるものです。
 「ごもっともです!」「おっしゃる通りです!」と、いつも言っていれば、相手に自信を与えられるし、また心も一つになって好かれるのではないでしょうか。
 人に好かれる秘訣は、こんな小さな心遣いにあったのかもしれません。
 
 



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