涙は人のために流すもの

 昔から金持はみなケチであるといわれています。

 世界中でいわれています。

 ケチということはお金の価値がよくわかっているから、

全く驚くほどお金を大切に思っているのかもしれません。

 貧乏人の方が金づかいがあらいといわれています。

 一円を軽く考えている人が一円に泣く時が来るのかもし

れません。

 薄情な人が貧乏になり、血を吐くような思いをするとも

いいます。

 お金も人も軽く考えている人からお金にも人にも縁がな

くなっていくのかもしれません。

 失ってはじめてその値打ちがわかるものです。

 薄情な人のことを血も涙もない人とよくいいます。

 薄情な人は自分のことではよく泣くけれど、人のことで

は泣きません。

 あるお葬式で奥さんが大変泣いていました。

 みんなももらい泣きで泣いていました。

 すると奥さんが、「これから先私はどうして生きていけ

ばよいの!」と叫んでいました。

 その奥さんの涙は、死んだご主人が可哀そうなのではな

く自分が可哀そうだといって泣いていることがわかりま

した。

 涙は人のために流すものなのではないでしょうか。

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